個別指導WAM
お便り
2025/10/14
読書の秋に育む想像力:小説が子どもの成長にもたらす力

読書の秋だからなのか、本を読みたい気分の今日この頃です。
勉強系やビジネス書ではなく、小説の世界にどっぷりはまりたい気分です。
吉田修一作品との出会い
「国宝」の映画を観て、原作に興味が湧いたので読んでみました。原作者の吉田修一さんの作品はたくさん映画化されていて有名ですが、重めのテーマが多いイメージで、実は少し苦手でした。
今回、「国宝上・下」と共に、その中でも明るい内容っぽい「横道世之介」もセットで買ってみました。
小説が持つ特別な力
小説は、他人の人生を体験することができる唯一無二のツールです。ページをめくるたびに、自分とは全く違う人生を生きている誰かの視点に立つことができる。これは、他のどんなメディアでも味わえない、小説ならではの魅力だと思います。
登場人物の喜び・怒り・悲しみ・葛藤を追体験することで、他人の気持ちを想像する力が養われます。主人公が困難に直面した時、どんな気持ちなのか。脇役のちょっとした一言に、どんな想いが込められているのか。そんなことを考えながら読むことで、感情の幅が広がり、「共感力」が育っていくのです。
言葉だけで世界を描く力
また、小説は映像ではなく”言葉”だけで世界を描きます。映画やドラマなら、登場人物の顔も、背景の風景も、すべて目に見える形で提示されます。でも小説は違います。読者は、登場人物の表情や情景、空気感を頭の中で想像しながら読むのです。
この「想像する力」は、創造的な仕事・アイデア発想・問題解決力に直結します。そして何より、これは現代では、AIに代替されにくい人間固有の力でもあります。AIは膨大なデータから答えを導き出すことはできても、何もないところから新しいイメージを創造することは、まだ人間にしかできないことなのです。
算数の文章問題が苦手な理由
ちなみに、教室では算数の文章問題が苦手な生徒さんが多いです。計算はできるのに、文章題になると途端に解けなくなる。その理由を観察していると、まず問題で問われている状況を正しく想像する力が足りない生徒さんが多いことに気づきます。
「太郎くんがリンゴを3個持っていて、花子さんに2個あげました」という文章を読んだ時、頭の中でその場面が浮かぶでしょうか。太郎くんの手の中にリンゴが3個ある様子、花子さんに渡す動作、残ったリンゴの数。こうした情景を想像できるかどうかが、文章題を解く第一歩なのです。
この力も《絵や映像のない》読書習慣から養われると思います。小説を読む時、私たちは常に頭の中で場面を思い描いています。この日常的なトレーニングが、算数の文章題を理解する力にもつながっているのです。
読書習慣が育む多様な力
読書、特に小説を読むことで育まれる力は、他にもたくさんあります。
まず、語彙力が豊かになります。日常会話では使わないような言葉や表現に触れることで、自然と言葉の引き出しが増えていきます。そして、その豊かな語彙は、自分の気持ちを的確に表現する力につながります。
また、集中力も養われます。スマホやゲームのような断片的な刺激とは違い、小説を読むには一定時間、物語の世界に没入する必要があります。この「じっくりと一つのことに向き合う」経験が、学習全般における集中力の基礎となります。
さらに、読解力も自然と身につきます。物語の流れを追い、登場人物の関係性を理解し、伏線を読み取る。こうした読書の過程そのものが、文章を読み解く力のトレーニングになっているのです。
読書の秋に始める小さな習慣
読書の秋。スマホやゲームから目を離し、ぜひ本を手に取ってみましょう。いきなり長編小説は難しいと感じるなら、短編集から始めてみるのも良いでしょう。児童文学の名作を読み返してみるのも、新しい発見があって面白いかもしれません。
大切なのは、「読まなければいけない」と義務にするのではなく、「読みたい」という気持ちを大切にすること。興味のあるジャンルから始めて、少しずつ読書の楽しさを味わってください。
保護者の方へ:読書環境の作り方
お子様に読書習慣をつけてほしいと思う保護者の方も多いでしょう。そのためには、まず家庭に本がある環境を作ることが大切です。
図書館を利用するのも良い方法です。定期的に図書館に通い、お子様が自分で本を選ぶ経験をさせてあげてください。自分で選んだ本は、より愛着を持って読むことができます。
そして何より、大人自身が本を読む姿を見せることが重要です。親が楽しそうに本を読んでいる姿を見れば、子どもも自然と本に興味を持つようになります。親子で同じ本を読んで、感想を語り合うのも素敵な時間になるでしょう。
秋の夜長を読書とともに
日が短くなり、夜の時間が長くなるこの季節。秋の夜長は、読書にぴったりの時間です。温かい飲み物を片手に、静かに本のページをめくる。そんな贅沢な時間を、ぜひ楽しんでみてください。
小説の世界に没頭することで、日常から少し離れてリフレッシュすることもできます。そして読み終わった後には、新しい視点や考え方、感じ方が、自分の中に残っているはずです。
まとめ:読書がもたらす豊かさ
読書、特に小説を読むことは、単なる娯楽以上の価値があります。想像力、共感力、読解力、集中力。そして何より、人の心の動きを理解する力。これらすべてが、一冊の本との出会いから育まれていきます。
今日から、いや今この瞬間から、一冊の本を手に取ってみませんか。その一冊が、あなたの、そしてお子様の世界を広げるきっかけになるかもしれません。
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対象
小学生〜高校生
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学力だけでなく、豊かな想像力と共感力を育む教育を大切にしています。
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