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STEMON
お便り
2025/09/12
「良かれ」の先回りが危険な理由:子どもの自立を育む声かけと距離感

「子どものためを思って」「失敗しないように」
このような親心から、つい子どもの行動を先回りしてしまうことはありませんか?実は、この「良かれと思って」の行動が、お子さんの成長にとって思わぬ弊害をもたらす可能性があるのです。
先回りが生む「他責思考」の罠
よくある親の先回り行動
- 忘れ物がないよう事前にすべて準備してあげる
- 失敗を避けるため代わりにやってあげる
- 困る前に解決策を提示してあげる
- トラブルが起きないよう環境を整えてあげる
子どもに現れる問題行動
このような先回りが続くと、うまくいかない時に以下のような反応を示すようになることがあります:
他責思考の典型例
- 「お母さんのせい」😡
- 「環境が悪い」😡
- 感情的になって「キレる」😱
- 自分で考えることを放棄する
なぜこうなってしまうのか?
原因の構造
- 経験の機会を奪われる:失敗や困難を経験する機会がない
- 自己効力感の欠如:「自分でできる」という実感が育たない
- 責任感の未発達:自分の行動の結果を受け止める経験が不足
- 問題解決能力の未熟:困った時に自分で考える習慣がない
解決のカギ:「声かけ」と「距離感」
1. 声かけを変えてみましょう
従来の声かけを見直すことで、子どもの自立性を育むことができます。
具体的な声かけの変更例
❌ 従来の声かけ → ⭕ 自立を促す声かけ
失敗した時
- 「だから言ったでしょ?」
→ 「今、何が起きた?次に何を試す?」
困っている時
- 「もういい、やってあげる」
→ 「どこまで自分でやる?必要ならここだけ手伝うね」
うまくいかない時
- 「なんでできないの?」
→ 「できたところはどこ?次の一手は?」
声かけ変更の効果
- 事実確認:感情的にならず現状を把握
- 自己効力感の向上:できた部分に注目
- 主体性の育成:自分で次の行動を考える機会を提供
2. 距離感の4段階
適切な距離感を保つことで、子どもの成長段階に応じたサポートができます。
①見守る(本人主導)
- 状況:子どもが自分で対処できる場面
- 大人の役割:温かく見守り、必要な時だけサポート
- 効果:自信と自立心の育成
②問いかけで伴走
- 状況:少し困っているが自分で考えられる場面
- 大人の役割:適切な問いかけで思考を促す
- 効果:問題解決能力の向上
③共同(役割分担)
- 状況:一人では難しいが、協力すれば達成できる場面
- 大人の役割:役割を分担して一緒に取り組む
- 効果:協力する力と達成感の獲得
④代理(安全・締切対応時のみ)
- 状況:安全上の問題や重要な締切がある場合
- 注意点:例外的な対応。必ず通常の段階に戻すことが前提
- 効果:安全確保と責任感の学習
自分事化を促す3つの問い
子どもが自分の問題として捉え、主体的に行動するための効果的な問いかけがあります。
①何が起きた?(事実確認)
- 目的:感情的にならず、客観的に状況を把握する
- 効果:冷静な判断力の育成
- 例:「宿題が終わらなかった。何があったのかな?」
②何ができた?(資源の確認)
- 目的:既にある能力や成果に注目する
- 効果:自己効力感の向上、ポジティブな視点の養成
- 例:「ここまではできたんだね。すごいじゃない」
③次に何を試す?(行動計画)
- 目的:主体的な行動計画を立てる
- 効果:問題解決能力と責任感の育成
- 例:「明日はどうしたらうまくいくと思う?」
実際の使用例
忘れ物をした時の対応
従来のアプローチ 「また忘れ物!だから前の日に準備しなさいって言ったでしょ!」
新しいアプローチ
- 事実確認:「何が必要だった?」
- 現状対応:「じゃあ今日はどう代替する?」
- 今後の対策:「明日の対策を1つ決めよう」
宿題が終わらない時の対応
従来のアプローチ
「なんで計画通りにできないの!手伝ってあげる!」
新しいアプローチ
- 達成度確認:「できた割合は?」
- 原因分析:「阻害要因は?」
- 改善策検討:「今週はどうしたら良いと思う?」
家庭でできる具体的な取り組み
提案例:準備物ルール
❌ 従来の方法
親が全て準備し、忘れ物がないようチェックする
⭕ 新しい方法
- 準備物は本人が担当
- 親の役割:「チェックリスト提示」のみ
- 結果:忘れても本人の責任として経験から学ぶ
段階的な自立支援の例
小学校低学年
- チェックリストを一緒に作る
- 準備の様子を見守る
- できた時はしっかり褒める
小学校高学年
- 自分でチェックリストを管理
- 困った時だけ相談に乗る
- 忘れ物の結果も自分で受け止める
中学生以降
- 完全に自己管理
- 必要な時のみアドバイス
- 失敗からの学びを大切にする
チャイルドコーチングの視点から
「助けすぎず・突き放さない」絶妙なバランス
WAM浜松校では、チャイルドコーチング資格を持つ教室長が、以下の流れで子どもたちの成長を支援しています:
成長の段階
- 他責思考:「○○のせい」で片付ける段階
- 自責思考:健全な自己責任を理解する段階
- 自走:自分で考え、行動できる段階
コーチングで重視するポイント
傾聴
- 子どもの気持ちや考えをしっかりと聞く
- 否定せずに受け止める姿勢
質問
- 考えるきっかけを与える適切な問いかけ
- 答えを教えるのではなく、気づきを促す
承認
- 小さな成長も見逃さず認める
- プロセスを重視した評価
大人に必要な心の余裕
時間への価値観を変える
つい大人から見ると:
- 「遅い」
- 「もっとこうしたら良いのに」
- 「要領が悪い」
と思ってしまうことが多いですが、子どもにとっては初めての経験です。
成長の機会を奪わないために
大切な視点
- スピーディーな世の中だからこそ、じっくり待つ価値
- 時間が惜しい気持ちより、成長の時間を優先
- 自らの経験によってのみ、人は本当に成長する
心の余裕を持つコツ
- 完璧を求めすぎない
- 小さな成長を見つけて喜ぶ
- 長期的な視点で子どもの成長を見守る
よくある質問と回答
Q: 失敗して子どもが落ち込んだ時はどうすればいいですか?
A: まずは気持ちに共感し、その後で一緒に振り返りましょう。「悔しかったね。何が学べたかな?」のように、失敗を成長の機会として捉える声かけが効果的です。
Q: 時間がない時はつい手伝ってしまいます
A: 緊急時は仕方ありませんが、「今日は特別」ということを伝え、普段のルールに戻すことが大切です。時間に余裕のある休日などに練習の機会を作りましょう。
Q: 子どもが「わからない」と言ってすぐに諦めてしまいます
A: 「わからないことの何がわからない?」「ここまでは何がわかった?」など、具体的に整理する問いかけが有効です。小さなステップに分けて考える習慣をつけましょう。
まとめ:子どもの未来への投資
今日から始められること
- 声かけを1つ変える:「だから言ったでしょ」を「どうしたらいいと思う?」に
- 1日1回は見守る:つい手を出したくなる場面で一歩引いてみる
- 成功体験を積ませる:小さなことでも自分でできた経験を大切にする
長期的な効果
適切な距離感と声かけを続けることで:
- 自己効力感:自分でできるという自信
- 問題解決能力:困った時に自分で考える力
- 責任感:自分の行動の結果を受け止める心
- レジリエンス:失敗から立ち直る力
これらの力は、子どもが大人になった時の大きな財産となります。
WAM浜松校のサポート体制
チャイルドコーチング資格を活かした指導
当校では、チャイルドコーチング資格を持つ教室長が、学習面だけでなく、お子さんの自立心育成もサポートします。
指導の特徴
- 「助けすぎず・突き放さない」絶妙なバランス
- 他責思考から自責思考、そして自走への段階的指導
- 保護者様向けの育児相談も実施
保護者様向けサポート
ミニ面談随時実施可能
- お子さんの学習状況相談
- 家庭での声かけアドバイス
- 自立支援の具体的方法提案
お問い合わせ
所在地
静岡県浜松市中央区田町226-6 丸八平野ビル2階東
自習スペース利用時間
- 平日:16:00〜21:30
- 土曜:13:00〜19:00
- 講習期間:平日9:00〜
連絡先
- TEL:053-401-3037
- LINE:@093ysbpe
対象
小学生〜高校生
体験授業・教室見学
随時受付中
お子さんの真の自立を一緒に育んでいきませんか?
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