個別指導WAM
お便り
2025/09/28
同じ「当事者」でも考えは違う:少数派の中にもある多様性を理解する【第1弾】

前回の投稿では、「少数派に歩み寄ることが、本当の中立」なのかもしれないというお話をご紹介しました。
しかし、その後の体験で、さらに深い気づきを得ることになりました。
今回は、少数派の中にも存在する多様な意見について考えてみたいと思います。
前回の話の発端
前回お話ししたのは、性的マイノリティの方から聞いた以下のような考え方でした。
「同性愛(同性婚)を認めてほしい!」という社会課題の中で、「どちらでも良い」の立場をとる人が多いと、結局【多数派の中の反対派+中立の人 VS 少数派】の構図になり少数派が不利になる。
そのため、「どちらでも良い」の立場の人は、少数派に寄ってくれることで中立になる、というものでした。
新たな視点との出会い
私はこのお話を、知人の性的マイノリティの方に興奮気味に「なるほどー!って思ったんですよ」とお話ししました。
すると、その方はこう仰いました。
「そもそも私は、同性婚なんて認めてもらわなくてもいい。
今、居場所や生き方がわかってきてそれで問題ないし、そっとして置いてほしいからむしろ大きく騒ぎ立てないでほしいと思っている。」
またまた目から鱗がハラリハラリという感じでした。
メディアと現実のギャップ
確かに、メディアなどに出ている性的マイノリティの方たちは、自分のアイデンティティを公言しているので「認めてもらいたい」と発信する方が多いのかもしれません。
しかし、一般社会に生きている性的マイノリティの方たちは、彼らとはまた違う立場や感じ方なことは当然です。
メディアに登場する声
・ 積極的に権利を主張する立場
・ 社会制度の変革を求める意見
・ 公的な認知や法的保護を重視する考え
一般社会での多様な声
・ 静かに自分らしく生きたい思い
・ 特別扱いされることへの複雑な気持ち
・ 現状で十分満足している状況
・ 注目されることへの不安
少数派の中にも存在する多様性
同じ”当事者”の中でも、考え方は一人一人にあります。
同じ【少数派】の中でも、みんなが全く同じ考えなわけではありません。
その中でも、インフルエンサーや大きな発信者の声にかき消され、さらに【少数】な意見になってしまうこともあるのだと気付きました。
声の大きさによる偏り
・ 発信力のある人の意見が目立つ
・ 控えめな人の声は届きにくい
・ メディアは分かりやすい主張を取り上げがち
・ 複雑な心境は伝わりにくい
教育現場での応用
この気づきは、教育現場でも重要な示唆を与えてくれます。
生徒一人ひとりの違い
例えば、学習に困難を抱える生徒たちの中でも、求めるサポートは様々です。
・ 積極的に支援を求める生徒
・ 目立たずに学びたい生徒
・ 特別扱いを嫌がる生徒
・ 理解してもらいたい生徒
個別対応の重要性
一律の「配慮」では、すべての生徒のニーズに応えることはできません。
・ それぞれの生徒の気持ちを聞く
・ 押し付けではない支援を提供
・ 選択肢を用意する
・ 多様な価値観を尊重する
社会全体への教訓
大切なのは、ひとつの意見を「これが正解」と鵜呑みにしないこと。
異なる声に出会ったとき、否定せず、柔軟に受け止めて歩み寄る姿勢を持てるかどうか。
これが重要だと感じました。
陥りがちな思考パターン
・ 代表的な意見 = みんなの意見
・ 声の大きい人 = 全体の代弁者
・ 単純化された議論 = 正しい理解
・ 二択の選択肢 = 唯一の選択肢
目指したい思考パターン
・ 多様な意見の存在を認識
・ 静かな声にも耳を傾ける
・ 複雑性を受け入れる
・ グラデーションの理解
柔軟性と受容の重要性
全員が全く同じ考えになることはありません。
だからこそ、違いを認め合い、少しでも歩み寄ろうとすることが、社会の中での”本当の中立”に近づくことなのかもしれません。
歩み寄りのための姿勢
・ 自分の理解が完全ではないことを認める
・ 異なる意見を否定しない
・ 相手の立場に立って考えてみる
・ 対話を通じて理解を深める
・ 結論を急がない
保護者の方へのメッセージ
お子様にも、この「多様性の中の多様性」について教えてあげてください。
家庭でできること
・ 「みんな違っていい」ことを日常的に伝える
・ 決めつけや偏見について話し合う
・ ニュースや情報を鵜呑みにしない習慣
・ 相手の立場に立って考える練習
・ 複雑な問題には簡単な答えがないことの理解
子どもたちが身につけてほしい力
・ 多角的に物事を見る視点
・ 異なる意見を尊重する心
・ 決めつけずに相手の話を聞く姿勢
・ 自分の考えを見直す柔軟性
・ 対話を通じて理解を深める能力
個別指導での実践
WAM浜松校では、この「多様性の理解」を指導にも活かしています。
一人ひとりに合わせたアプローチ
・ 生徒の個性や価値観を尊重
・ 画一的な指導ではなく、個別最適化
・ 生徒自身の選択を重視
・ 押し付けではない提案
・ 多様な学習スタイルに対応
対話を重視した指導
・ 生徒の気持ちや考えを聞く時間
・ 一方的な指導ではない双方向のコミュニケーション
・ 生徒の意見や疑問を大切にする姿勢
・ 答えを押し付けない問いかけ
・ 生徒自身の気づきを促す関わり
継続的な学習の必要性
この体験から学んだのは、理解は一度で完結するものではないということです。
常に学び続ける姿勢
・ 自分の理解をアップデートする
・ 新しい視点に出会ったときの謙虚さ
・ 固定観念を疑う習慣
・ 多様な人との対話を大切にする
・ 間違いを恐れずに学び続ける
まとめ:違いを認め合い、対話へとつなげる
同じ「当事者」の中にも、様々な考えや感じ方があります。
この当たり前のことを、改めて深く理解することの大切さを学びました。
私たちにできること
・ 単純化した理解に満足しない
・ 多様な声に耳を傾ける
・ 決めつけや偏見を持たない
・ 対話を通じて理解を深める
・ 違いを認め合う姿勢を持つ
教育に携わる者として、また社会の一員として、この学びを大切にしていきたいと思います。
そして、子どもたちにも、この多様性を理解し、受け入れる心を育んでもらいたいと願っています。
では、このような多様性を理解した上で、私たちはどのように関わり合っていけばよいのでしょうか。
次回は、「対話を続けること」の大切さについてお話しします。
個別指導WAM浜松校
所在地
静岡県浜松市中央区田町226-6 丸八平野ビル2階東
自習スペース
平日 16:00〜21:30
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一人ひとりの個性と価値観を大切にし、多様性を認め合える教育環境づくりを心がけています。
お子様の「違い」を尊重し、それぞれに合った学習方法で成長をサポートします。
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